休日、夜、本に触れて。 no.4「ありのままを受け入れる恋愛の話。- ローズティーと楠田 夏子 -」

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休日、夜、本に触れて。no.3「子供は『今』を生きているという話。- ホットココアと『ハッピー力』-」

 

 

こんばんは。プラスニドコラム編集部のKです。

このコーナーは体を温めてくれる「ホット」な飲み物と、

心をほっこり温めてくれる「ホット」な読み物をご紹介します。

休日、また仕事終わりの一人時間、コロナ禍のおうち時間に少しでもお役に立てることができれば幸いです。

 

なかなか気楽に喫茶店へ行けない世の中になってしまいました。

ほんの少し前までは、休日は落ち着いた雰囲気の喫茶店を探し、そこでパラパラ本をめくっては忙しない毎日のリズムを整えていくようなほっこりした感覚が好きでした。

 

おかげで?今では少しずつ、家で喫茶店のまね事をするように。

とてもお洒落な部屋とは言えませんが、

心に寄り添う本とあたたかい飲み物を用意して、

夜の時間を満喫しています。

 

 

◆ 疲れた夜は、華やかなローズティーを。

 

ちょっと疲れた夜は、心がときめくものを読みたい。

今夜のおうち時間は、大人の恋愛漫画を手にとってみようと思います。

せっかくなので、かわいいピンク色のローズティーをお供に添えてみることに。

 

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透き通るバラ「さ姫」のピンク色。ほんのり良い香りもします。

 

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さ姫」は、縁結びで有名な、あの出雲大社がある島根県でしか育てられていない珍しい品種なんです。 (恋愛ものを読む時の飲み物にぴったりでしょう?笑 )

 

 

 ◆ きっと誰しも共感する、痛快な恋愛マンガ。 

 

今夜の一冊。

高校生同士の少女漫画はキラキラし過ぎて気分が乗らなかったので、『それでも恋していいでしょ』という大好きな恋愛漫画を読み返してみます。

 

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『それでも恋していいでしょ』は、楠田先生の作品の中でも多分特に明るくて痛快な「コンプレックスラブストーリー」です。

 

主人公は表紙の自称イケメンサラリーマン。

彼は、ある出来事がきっかけでコンプレックスとなった薄毛身長の低さを必死に隠し、エリートであることに必死にしがみつこうとします。

 

その必死さは、端から見ると滑稽ではあるのですが、どこか親近感が湧きますし、好感が持てると思います。それは、私含め、きっと人間誰しも何かしらのコンプレックスを抱えているからでしょう。

 

そしてそのコンプレックスには、必ず心を傷つけられた記憶と結びついている。

主人公が必死にコンプレックスを隠そうとするのは、その情けない姿を見られた時、また同じように傷つけられるのを何よりも恐れていたからだったのです。

(うーん、この人間臭さがたまらなく好きです。)

  

 

◆ 自分を強く見せすぎて空回り? 

 

大人になるにつれ、人は自分を「武装」する手段を増やしていけます。

主人公の場合、それはキャリア、学歴、顔の良さ、コンプレックスをカバー出来るシークレットインソールや髪のケアなどでした。

 

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裏表紙には、さまざまな努力をする主人公が。

 

武装」する手段が増える事自体は、きっととても良い事です。

でも、主人公は「武装」をしすぎて、複雑にしすぎて、大切なことを忘れてしまった。本当の自分を隠し、良い面だけを他人に見せていくうちに、惹かれた相手にすら都合の良いことだけを望み、挙句片思いしていた女性の素の一面を見た時は「こんな人ではなかった」と思ってしまいます。

 

本当の自分が愛されない恋愛で、人は幸せになれるのでしょうか。そう、そんなわけがないのです。だから、上手くいきっこないのです。

たとえ傷つく事があっても、ありのままの自分を受け入れていくことの大切さを見逃してしまっていたのです。

 

楠田先生は、恋愛をする上で「自分を受け入れることの大切さ」をとても分かりやすく、簡潔に伝えてくれています。

 

 

◆ 一回り成長し、最後はハッピーエンドへ!

 

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写真は、物語後半、傷つくことを何よりも恐れていた主人公が他人の恋愛にアドバイスをし、自分の中から出てきた言葉にハッとさせられるシーン。なんとこう言えるようになるまで成長するんです。(その過程はぜひ単行本で。)

 

でも、ただ自分のコンプレックスを受け入れられるようになる話というだけで面白いのではありません。楠田先生は、最後にこの主人公に「俺を一方的に傷つけていたと思っている相手を 俺も傷つけてたかも…だろ?」と気づかせ、この物語を「自分を受け入れられる事」だけでなく「自分も、相手も受け入れ、許していく事」の大切さまで読者に伝えようとしているのです。

 

「傷つけた側の傷つき 傷ついた人間の傲慢

投げるやさしさ うけるやさしさ

相手の気持ちは見えないから

俺達は間違ってばかりだけど

一生懸命投げた気持ちは

いつかきっと やさしい許しになってまわっていくんだ」

 

作中の、主人公のモノローグ。

他人の言葉によってコンプレックスを抱えた主人公が、自分のことだけでなく他人のことも想像できるようになる。許すことはとても時間がかかるという事も優しく指し示しているのも、良いなぁと思うポイントです。

(そしてそんな壁を乗り越えた主人公は、ちゃんとハッピーな未来へ向かっていくのですが…詳しくはこちらも単行本で!)

 

きっとあなたも読んだ後は前向きな気持ちになれますよ!

次回も心温まる飲み物と読み物をご案内いたしますのでどうぞお楽しみに。





本:『それでも恋していいでしょ』楠田 夏子/KCデラックス Kiss/2012.3.13

飲み物:薔薇のお茶(10g) 奥出雲薔薇園

 

 

▶︎no.1はこちら

休日、夜、本に触れて。 no.1【ギャップ萌えにやられたという話。-「秋の名月」とビートたけし-】

 

 

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