休日、夜、本に触れて。 no.5「一人だけど、一人じゃないという話。- クロモジ珈琲と『海からの贈り物』 -」

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休日、夜、本に触れて。 no.4「ありのままを受け入れる恋愛の話。- ローズティーと楠田 夏子 -」

 

 

こんにちは。

このコーナーは体を温めてくれる「ホット」な飲み物と、

心をほっこり温めてくれる「ホット」な読み物をご紹介します。

休日、また仕事終わりの一人時間、コロナのおうち時間に少しでもお役に立てることができれば幸いです。

 

なかなか気楽に喫茶店へ行けない世の中になってしまいました。

ほんの少し前までは、休日は落ち着いた雰囲気の喫茶店を探し、そこでパラパラ本をめくっては忙しない毎日のリズムを整えていくようなほっこりした感覚が好きでした。

 

おかげで?今では少しずつ、家で喫茶店のまね事をするように。

とてもお洒落な部屋とは言えませんが、

心に寄り添う本とあたたかい飲み物を用意して、

夜の時間を満喫しています。

 

 

◆ 人に会うのを控えた夜に。

 

先日新潟に行く機会があり、お土産として新潟の「クロモジ枝」が混ぜられたドリップコーヒーを購入してみました。ですが、緊急事態宣言が出てしまったタイミングだったため、敢えなく自分でいただくことに。無念…。

(残念そうな言い方をしてしまいましたが、珈琲自体はクロモジの独特な風味とこってりした珈琲豆の味がマッチしていて、新鮮な美味しさでした!)

 

一人時間が好きとはいえ、人と会うことも好きである私は、正直まだ「人に会うのを控える」ということに馴染めずにいます。

 

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そんなちょっと寂しい気分の夜は、リンドバーグ夫人の『海からの贈り物』を読んでみることに。


裏表紙には「大西洋横断飛行に最初に成功した飛行家リンドバーグ大佐の夫人であり、自らも世界の女流飛行家の草分けの一人である著者が、その経歴を一切捨て、一人の女として、主婦として、自分自身を相手に続けた人生に関する対話である。」と紹介されているこの一冊。

 

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この本は、著者が浜辺で一人自分の人生を振り返りながら、海にあるものを例えに使って思いを綴ったエッセイ集のようです。 (なので、各話それぞれのタイトルも「浜辺」「ほら貝」「つめた貝」…と、海にまつわるものばかり。)

 

つまりこれは、リンドバーグ夫人の一人時間の遺産ということ。

コロナ禍でもないのにあえて作り出した一人時間で、彼女は一体どんなことを考えて過ごしたのでしょうか。

 

 

◆「一人時間」なのに、他人と繋がる?

 

「つめた貝」というエピソードには、次のような一節があります。

 

 

自分自身の心臓部と繋がっている時にだけ、我々は他人とも繋がりがあるのだということが、私には漸く分かってきた。そして私にとっては、その心臓部、或いは内的な泉を再び見付けるのには一人になるのが一番いい。

 

一人の時間を求める理由。彼女はその一つ目に、他人との繋がりを感じられるからだと言っています。 一人なのに、繋がる? これは一見矛盾していて混乱しますが、次の部分を読んだとき、感覚的に分かる気がしました。

 


自分が自分に対して他人であるならば、我々は他人に対しても他人であることになって、自分と接触がなければ、他人に近づくこともできない。

 

「自分との接触」、つまり自分との対話(自分について自問自答し、考えること)ができなければ、他人とも対話ができるはずがない。

逆に、自分と対話ができる人は、他人とも対話ができる=他人について考えることができる。他人について何か分かった時、初めてその人に近づける。たとえ、それが一人でいる時でも。

 

そういう意味で、一人でも他人と繋がりがある、と語っているのでしょうか。

 

 

ちょっと難しい話のような気もしますが、確かに「あの人もこんな気持ちで過ごしていたのかな」などと誰かの心情を想像できた(気がした)時、その人に近づけた・繋がったような気がしますし、そういう時間って不思議と孤独に感じません。むしろ、物理的にそばにいる時より近くに感じますよね。

 

 

そうした他人と真に繋がるための想像力を持つためには、まず「自分と接触」する一人時間を持たなければいけないと言っているのなら、このコロナ禍で強制的に生まれた一人時間も、無駄ではないし貴重なのかも、と思えてきました。

一人だけど、一人じゃない。そう言って貰えた気がして、なんだか気持ちがあたたかくなりました。

 

 

『海からの贈り物』には、そんな一人時間に関するヒントがたくさん書かれていたので、よかったらぜひ読んでみてくださいね!

 

 

 

次回も心温まる飲み物と読み物をご案内いたしますのでどうぞお楽しみに。


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本:『海からの贈り物』リンドバーグ夫人 著/吉田健一 訳/新潮文庫/1967.7.24

珈琲:クロモジ珈琲 / さどのめぐみっ茶 

 

 

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休日、夜、本に触れて。 no.1【ギャップ萌えにやられたという話。-「秋の名月」とビートたけし-】

 

 

 

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